自己紹介:~幼稚園

プロフィール

群馬の農家に生まれ、母方の祖父母の家で農作業を手伝いながら過ごす時間が長かったようです。

父は放射線科医で、朝5時出勤・夜21時帰宅、平日フルで働き土曜はバイト、週1くらいで当直、学会関係で国内・海外出張も多く、平日は殆ど一緒に過ごした記憶はありません。

そんな父は、家が貧しすぎて大学の学費が免除になったくらいなので、私は非常に貧しい生活を送ったようですが、「足るを知る」とはよく言ったもので、自分が貧しかったと自覚するのは、高校生になって東京に出てきて裕福な人の生き方を知ってからになります。

幼少期の経験は、今の私の礎を作りました。この礎は(1)祖父母の影響、(2)特殊な幼稚園、(3)超厳しいバイオリン教室 の3つで形成されたと考えております。

(1)祖父母の影響

真偽は未確認ですが、祖母は群馬県の出身市区町村の中で初めての女性の社会科教師だったそうです。同じく教師だった祖父と職場結婚し、定年退職後に農家になったとのこと。

祖母は非常に気の強い人でした。おそらく当時は女性が働くことに対する風当たりも強かったと想像しますが、常に強気で相手との調整とか一切考えず、論で説き伏せる人だったとか笑

そんな祖母には、毎晩寝かしつけてもらった後、毎朝特別授業にて様々な教育を受けました。その多くは社会と算数。

社会においては、私が3歳になるまでに日本国憲法の前文を丸暗記させられました笑 

正直、小学校に入るころくらいには忘れてしまいましたが、私達の生活は憲法という最高法規に規定されており、3大原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)、3大権利(生存権、参政権、教育を受ける)と3大義務(勤労、納税、普通教育を受けさせる)があり、25条で健康で文化的な最低限度の生活を保障されていることを知りました。

なお、祖母は他国や日本の他の時代のことは教えてくれませんでしたが、「私達の生活を規定する原則」という視点を丁寧に教えてくれたおかげで、私はルールや組織を分析・分類・比較・評価することが好きになり、文系に進み、マクロな経済や社会・歴史を好み、一企業ではなく業界や国際関係といったカバー領域の広い仕事に興味を持ち、コンサルやGAFAMへの道を選んだのかもしれないと考えたりします。

もう一つ、祖母は天然石のバイヤーでした。私は3歳から石を使って四則演算を教わりました。例えば3マス×3マスの木箱に石を入れていき、3×3=9を学習しました。

また、祖母からは商売の勘所を自然と学びました。最初は商品の真贋と品質の目利き。よくマーケットに連れて行ってもらい、真贋の判定方法や値段の妥当性を教えて頂きました。

次に顧客管理。自分が買う立場の時は、その商品を売る相手を頭で想像し、説明する言葉や推しポイント、自分が設定する価格のレンジを明確にできたら買え、と。この教育により、常に売る相手である顧客を意識する必要があり、彼らからの信頼を獲得・維持するのは大変なので、なるべく高単価の顧客を少ない客数抱えることの重要性を教わりました。

祖母は私が小学生になる前にガンで亡くなりましたが、祖母の死後母から聞いた話では、祖母は八百屋さんで野菜を買う時も常に店主と価格交渉をする人だったそうで、1品ずつ交渉しても値切れる割合は高が知れてるので、「あそこの棚のここからここまで、総額xx円でどう?」と大量に購入して割引率を高め、家族で消費しきれない分はご近所におすそ分けしていたそうです。

ここまでは祖母の話ですが、祖父も中々強烈な人でした。高校で化学を教える先生だったものの生粋の体育会系脳で、幼少期から毎日散歩に連れてってもらってたそうですが、散歩と言えど「坂ダッシュ10本」「(近所の小学校の)校庭5周」「遊具登り5往復」とかそんな感じだったそうです。

余談ですが、上記の祖父母に育てられた母は、五輪金メダリストで群馬の高崎に拠点を構える相原夫妻から体操を教わり、朝から晩まで体操漬けの生活を送ったそうです。五輪こそ出場できなかったものの、実家には母の受賞したインターハイや国際大会でのトロフィーや賞状が沢山飾ってありました。

(2)特殊な幼稚園

私は、モンテッソーリもレッジョエミリアも流行っていなかった当時としては非常に先鋭的な私立幼稚園に通いました。

集団行動を強いられた記憶が殆どなく、ひたすら子供の好きに遊ばせる珍しい幼稚園。園内にはクジャク、ヤギ、モルモット、ウサギといった動物もいれば、イネや野菜を育てる田畑、アスレチックや砂場・回転遊具などの大型遊具、園施設とは別に小さな体育館程度の大きさの畳張りスペースに多くの種類の遊具が用意されており、園児は登園から退園まで無我夢中に自分の好きな遊びをやってました。

一日の中でも確か給食の時間等集団行動を要する時間はあったものの、食事の開始・終了時間、そもそも食べるか否かの選択も園児の意志が尊重されていたように記憶しております。

また、お泊りイベントや演劇発表会、卒園式といった集団行動を求められる場面も何度かありましたが、殆ど記憶にないほど数が少なく、園長や先生方から怒られたり行動を制限された記憶も殆どありません。

そんな園において、私は3年間ずっと砂場で1人で遊ぶ子供だったようで、卒園アルバムには「砂場の王様」の称号が添えられていました。当時、駐車場の水たまりや砂場近くの粘土質の土など幼稚園の中の様々な土の素材を研究し、水に混ぜて乾燥させて仕上がりを確認しつつ、「地球玉」と呼ばれる黒光りする泥団子や土器を作ってました。園内にあったろくろを使わせてもらった記憶もあります。

卒園アルバムの表紙は園児が自由に描いていいのですが、私は当時極度にハマっていた迷路を書き、これをみた母は私が何らかの精神疾患を抱えている可能性を心配したそうです。自覚はありますが、正直未だに人とのコミュニケーションは苦手です笑

(3)超厳しいバイオリン教室

兄に続く形で、兄が通っていた幼稚園で行われていたバイオリン教室に通いました。大人になってから知ったのですが、ここで教えてくださっていた先生は凄い方でした。

先生は二次大戦前か直後、日本の敵国だったフランスに国費で留学してバイオリンの腕を磨き、その後も数々の実績を残され、先生の教え子、つまり私の兄・姉弟子は現在プロとして活躍なさっている方が沢山いらっしゃいます。数年前までWikipediaにも載ってましたが、プライバシーの関係なのか現在は削除されています。

この先生、とにかく厳しい方でした。課される練習量は、1日音階500回。これが最低量。与えられている曲の練習は時間換算で1割以下で良いので、とにかく基礎となる音階。ドレミファソラシドをひたすら繰り返す練習は子供ながらちっとも面白くはなく、正直サボりたがるのですが、当然ながらサボると正しい音程で弾けません。

週に一度先生のレッスンがあるのですが、音程一つ間違えると「なんでできないんだ!頭が悪いのか、指が悪いのか、性格が悪いのか、全部か!」とスリッパで頭を叩かれます。当時の私はこれが普通だという考え方のもと、ある程度頑張って毎日の音階に勤しみ、上記祖父母の教育も相まって、無意識下にひたすら数をこなす体育会系脳に発達しました笑

また、先生は一日も欠かさず毎日練習するよう厳しく仰ってました。「1日弾かないと本人が気づき、2日弾かないと師が気づき、3日弾かないと観客が気づく」「1日の途切れを取り戻すために、3日の練習が必要になる」とよく言われましたが、この言葉、未だにかなり正しいと感じます。毎日続けている音階の練習が一日途切れるだけで、指の感覚がずれるのを感じ、その感覚が元通りになるには1日以上の練習が必要でした。

この理由から、先生は修学旅行などの宿泊を伴う学校行事に門下生が参加することを非常に嫌いました。私の母が「修学旅行は子供の一生の思い出なので参加させてください」と涙ながらに懇願した際、先生が厳しい顔つきで「たった数日間の一生の思い出のために、今まで積み重ねたものをドブに捨てる覚悟をしなさい」と仰っていた光景は鮮明に覚えています。

母の葛藤

私が成人した後母から聴きましたが、当時、この教育に母に随分悩んだそうです。幼稚園では好きなことを好きなだけやれる一方で、バイオリンは求められる成果のために決められたことを決められた数以上にやらなければならない。

私が小学生になる前、母は私にこの日々が好きか嫌いか尋ねたそうです。私は当時のことを覚えていませんが、母曰く私の回答は「メリハリがあって好き」だったそうです。メリハリなんて言葉、どこで覚えたのやらと母は不思議そうに言ってました。

幼児教育に対する私の考え

二十歳を超えた頃、私はバイトで0歳教育・幼児教育に出会います。また、同教育理念・手法を小学生への応用を志向する学習塾から、難関中学受験において全国的に有名な学習塾でもバイトで教えました。

特に中学受験までは、100%親が合否を握ると確信しております。子供の時間の使い方や価値判断基準、メンタルケアにおいて、親が介入したり見守ったり背中でお手本を示したりすることがいかに重要かを痛感しました。

認知心理学・教育心理学もかじり、現時点では私は4つの考えを重視しながら子育てに励んでいます。それは、「成果志向」「試行数重視」「メリハリ」「習慣化」。

成果志向:常に目的意識を持ち、客観的な成果を目指すために訓練する

試行数重視:質より量。圧倒的に量をこなす。量をこなさないと質は語れない

メリハリ:好きなことを好きなだけやっていいときと、決められたことを必ずやる必要がある時間を明確に分ける

習慣化:日次、週次、月次、年次でリズムを作り、成果・試行数・メリハリをレビューしながら時間の使い方を有意義にすることを意識づける

きっとこの4つは、私が獲得した【好奇心】の赴くままに生きる人生観を再現するインプットになると確信しています。

ただ、そうは思ってても、なかなか実践できるではないかもしれません。とにかく毎日試行錯誤しながら子供と向き合います。

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