Amazon USで働き始めて9カ月。繁忙期のホリデーシーズンに忙殺されつつ、待ち望んだ妻子の受け入れで目まぐるしい日々を送っていますが、これほど幸せを感じることもありません。私にとって家族は生きる上で非常に大きい存在だと改めて感じつつ、子供たちの将来を見据えてこれまで考えてきた子育て計画を着々と実行していきます。
渡米9カ月 – 妻子の渡米
ついに妻と子供たちが渡米してきてくれました。イヤイヤ期真っ盛りの2歳の長女と、渡米1週間後に歩き始めて好奇心旺盛すぎる1歳の次女をケアするのがとても大変ではあるものの、本当に充実した日々を送っています。
仕事とプライベートで忙殺されることで仕事・勉強を通じた精進のモチベーションが下がると想定していたものの、全く逆でした。二人の子供たちの急速な成長に感化され、私も負けていられないと一層の勉学に励む決意を固めています。
2歳の長女はなんでも吸収する時期。100万円払ってフルセットで買って日本から持ってきたDWEを通じた英語のみならず、時計、数字、そして私が日々呟いてたマッキンリー(任期:1897-1901年)以降のアメリカ歴代大統領までを真似して覚え、日本で獲得してきた簡単な日本語でのコミュニケーションに自発的に織り交ぜてきます。驚異的な成長。
出典:オリオリ 0~2歳までの“カラダとココロ”の発達カレンダー
また、次女も歩き始め、人に対してコミュニケーションを図るそぶりを多く見せるようになりました。長女と興味分野も成長進度も全く異なり、昔私が必死にトラックしていたデンバー式での成長過程とは全く違う進度と順番で、一部は遅く・一部は早くという成長を見せてくれています。
第2子の経験から、画一的な成長の順番に介入する意味はないと感じており、むしろ自発的な興味関心や粗大運動を最大限尊重できる環境づくり、及びそれを実現するための細かい観察と配慮が必要だと感じるようになりました。
2024年の振り返り
私の話に戻ると、2024年はチャレンジの年でした。US移住に始まり、慣れない環境下で結果を出すための土台作りであり、全てが手探りと試行錯誤ではあったものの、やることとやらないことを明確に決めてスコープ管理を徹底したことで、2024年の目標は全て達成できました。分かりやすいもので言うと、AWS認定資格全冠とかかな。
一方で私は迷い人なので笑、やらなかったことへの後悔やアメリカでのチャレンジを思いついても即実行しなかったことへの後悔は絶えません。スコープ管理が自分の中でチャレンジへの言い訳になっているようにも感じており、親として子どもに見せる姿としては良くない・つまらないものになっているのかと反省します。
2025年は更に飛躍の年にします。特に子育て分野において。
2025年の目標と好奇心の棚卸
子供が生まれて子育てに時間を割くようになるまで、私は自分自身が「類まれなる卓越した好奇心」の持ち主で、自分の興味関心でいかにでも自分を更新・変化させることができると思っていましたが、実際にはそうではなかったという自己評価に変わりつつあります。
私の強みは好奇心ではなく何も考えずに大量の試行回数と試行錯誤を実施できる習慣で、これは幼少期のバイオリンやサッカー、受験勉強で培ったものであり、好奇心で見つけた領域を試行し続けて深堀することで、次の好奇心領域を見つけていたのでした。
つまり、好奇心が沸いても時間やスコープ外を理由に大した試行錯誤をしない場合、長くても3か月で好奇心が薄れることが分かりました。従って自分の勉強や領域を広げ続けるためには、先行して予定を立てておく必要あり、3か月ごとに好奇心の棚卸をするようになりました。
とにかく熱しやすく冷めやすい性格なので、思いついたらリストに追記し、3か月ごとに見直して更新し、スコープと優先順位を決めることで管理します。
出典:SB Payment Service アクワイアラとは?その仕組みと役割を解説
最近はAmazon Payの人と仲良くなったことをきっかけに決済ビジネスに興味を持ち、Acquirerと決裁代行業者の違いや銀行等とのシステム連携の違いが生む障害発生リスクやサイバーセキュリティ対応といった分野を調べています。欧州のAdyenのような大企業から東南アジアの2C2Pといったスタートアップまで。
2025年は、飛躍しつつも子供の成長と自分の成長のバランスを図る年。ひとまず自分と子供の双方に定量的な目標を設定し、それぞれをこなしていきます。分かりやすいもので言うと「年間12か所で1泊以上の家族旅行する」ですかね笑
医療業界への挑戦
仕事面では、ビザやプロモーションとの兼ね合いを見つつ、プライベートとの兼ね合いを見つつ、Amazon USに来た目的の一つである医療業界への社内異動を実現したいと考えています。できれば2025年、遅くとも2026年末までに。
医療は今後も大いに形を変えていくと思いますが、ほぼ確実な方向性として「医療によるQoL向上に向けたライフステージの面取り」があると確信しています。持論ですが、人は「美容と健康と宗教」に再現なくお金を払います。この3つは人間のライフステージを大いに左右するため、今後数十年間、「医療」はこれらを面取りする方向に拡大するという世界観です。
上記に引用した画像もそうですが、「ライフステージ」で検索すると、資金計画に関する保険営業やキャリアに関する転職サイト以上に、昨今は「女性」「健康」を語る医療系の記事や病院サイトが目立ちます。SEO的にも、この領域がホットです。
ここ10年で美容医療もすっかり一般化し、「整形」が「プチ整形」になり「美容」になりました。私の専門は社会保障政策ですが、韓国人で私の研究室の先輩が韓国における美容マーケットの拡大を経済学的手法で研究しており、そのマーケティング手法は小泉政権の郵政選挙や旧民主党の年金破綻キャンペーンに大いに通じるところがあり、そして日本でも着実にビジネスが拡大しました。こうした美容整形は韓国で先に流行し、そして日本でも流行ったと。
就職や異性との出会いに向けて外見を改善しよう、子育てに向けて病気を予防・治療しよう、という「医療」ソリューションは、少子化と子供への教育投資の拡大という社会トレンドから今後どんどん若年層にリーチし、「学力」「コミュ力」を医療の文脈で改善するサービスが流行るのでしょう。「IQを高める治療・薬」とか「医者が監修した教材」みたいなもんが蔓延するのも容易に想像できるし、それを嬉々として買う方々も多そうです笑
「xx病は作られた病気」という世界観なら、上記の書籍「ビッグ・ファーマ」をお勧めしたのですが、世の中がビジョンを失いイシュードリブンになるほど、イシューの定義をライフステージに紐づけて正当化していく世の中になります。それが良いかどうかは別として、個人的にはクリミア戦争に従軍したナイチンゲールが定義した病気、つまり回復過程としての治療を施し傷病者を生産現場に戻す医療へのアクセスは担保されるべきでしょう。私はそういうサービスを作りたいと思っています。生産現場から退いた高齢者への医療は、QoLとQoD(Quality of Death)を明確に分けて論じるべきですが、特に日本では日本医師会との強力な蜜月関係を断ち切れない限り変革は難しく、従って選挙で変える他ないというメッセージを厚労省・財務省の資料から痛いほど読み取れますが、旧民主党政権下でも実現できなかったところを見ると、高齢者比率が高い日本において、政治家にとって本件はやはり難しいテーマなのでしょう。
出典:東京ファイナンシャルプランナーズ 高松税理士事務所 年金カット法案について
年金を例にとると、旧民主党政権はSEALsといった若年層も動員し、若年層の支持を得て政権を獲得したものの、2016年に「年金カット法案」とレッテル貼って騒いでたアレ、あれは本来マクロ経済スライドを適用して私たち現役世代が将来貰うべき年金が高齢者に給付されている状態を是正して若年層の受給額を増やすための施策でした。中身が分かっていないのか、高齢者支持層全振りに方針転換したか分かりませんが、政治家のこうした姿勢が社会保障全般への不信感を煽り、世代間格差を煽ったり生活保護世帯を過剰に攻撃したりする風潮になるのは感心しないなと感じています。
加えて今後も格差は拡大し続けるため、高所得者層向けに高単価サービスか、低~中所得者層向けに客数の多いサービスで勝つかが明確に分かれつつ、既存のサービスはその両取りを目指して金額とサービスに濃淡つけてビジネスを展開するでしょう。簡単に稼げるのは高所得者層向け高単価ビジネスですが、社会や組織の長期的な安定を考えるなら、低・中所得含む労働者や彼らが育てる子供たちへの医療アクセスが担保されるべきです。こうした「あるべき」論は、法的根拠がない限りは当事者のみが決定権を握るため、私は自分が影響を及ぼせる形で世界的なサービスを作りたくてAmazon USまで来ました。
Techへのキャリア変更 – 「医療介護政策の黒船で日本上陸」
もう一つ大きくチャレンジしたいことは、キャリアの変更です。私は現在Non-TechのBusiness Analystとして働いていますが、今年1年Techチームの中で働きoncallなども経験する中で、全組織・全世界に展開する分析基盤を作ってより多くを自動化する仕組みに興味を持つようになり、BI EngineerやData Engineerへのキャリア変更を志向するようになりました。
一方でここは悩みどころで、上述のように医療業界に関わるならその組織のTech PM(Product/Program/Project Manager)に進むべきかもしれないとも思います。
渡米前私の計画、「医療介護政策の黒船で日本上陸」、つまり本気でAmazon Health Serviceにて医療の仕組みを作って日本に持ち込むなら、自前の調整能力を最大限発揮できるPMが正しいキャリア選択だと思う一方で、渡米後の情報収集の中で、その実現のしやすさやタイミングを鑑みて、別のチャンスを拾うべきか悩ましいと感じるようになりました。
このキャリア選択はだいぶ先まで悩みそうな気がしますが、遅くとも2026年末には決める所存です。また、ML EngineerやData Scientistといった道は、私の興味分野や将来見込、ビジネスとの相性を鑑みてスコープアウトしました。両方とも引き続き進化を続けており面白そうな役割ではあるけれど、私が人生を懸ける領域ではなさそうです。
本格的な「子育て」の開始 – 3歳から始める試行錯誤
さて、本題です。長女があと数カ月で3歳になります。3歳になったら、私がこれまで沢山考えてきた子育て手法を試していきます。
3歳は前頭葉前頭前野の発達で感情をコントロールする理性が育ち始めることでイヤイヤ期が落ち着くタイミングでもあり、同時に自己主張ではなく周囲への順応を試みる時期でもあります。
私の人生を振り返ると、3歳ごろから始まった様々な教育が私のその後の生き方、人生観、好奇心の負荷さと幅と領域を大いに決めました。私の家族が意図していたかは分かりませんが、この時期から大量のインプットを浴びました。
特に祖母の教育とバイオリン。おばあちゃんっ子だった私は、社会科教師で退職後は天然石のバイヤーで余生を楽しんでいた祖母から日々教わりました。一緒の布団で寝ていたので、起きた瞬間から教育が始まり、まずは日本国憲法の前文を丸暗記しました笑
祖母は同時に、天然石を通じて私に商売を教え、3×3の木箱を使って掛け算を教え、真贋判定と値付けを教え、仕入れと在庫管理を教えてくれました。あとは人づきあい、販路拡大、顧客管理や資金計画まで教えてくれたら私はその後の人生苦労せずに済んだのですが笑、当時未だに貨幣経済ではなく物々交換が蔓延る群馬のクソ田舎で祖母が余生に個人でやってる商売につき、そこまでは至らなかったのでしょう。
バイオリンは、これまた強烈な先生に出会いました。二次大戦後間もなく国費でフランスにて修行したらしい先生で、数年前にWikipediaからは削除されていましたが、私の兄弟子・姉弟子でプロになった方や芸能界に進んだ方々は未だご健在でご活躍なさっています。
1日音階500回、音外すとスリッパで叩かれる日々でした。本当にストイックでスパルタで、でも心から尊敬できる人でした。親以外にもこうした心の拠り所となってくださる人に出会えたことに感謝しつつ、私はそれを使ってより良い社会や世界を作る責任を負っていると感じます。
上記の手法は時代錯誤甚だしいので、パワハラもとい家庭内暴力にならない塩梅で教えていく所存ですが、私の子育てにおける理念は大きく3つ、(1)歴史への迎合、(2)「経済的理由による労働」からの解放、(3)パラダイム思考 です。それぞれを概観した上で、投資手法の話をしたいと思います。
(1)歴史への迎合 – 支配階層への合流
私含め、おそらく多くの親が子に願うことは経済的・社会的成功です。経済的とはお金、社会的とは人間関係や役職・立場・コミュニティです。
お金はスキルとリレーションの相互作用で生まれますが、支配階層の方々はわざわざスキル研磨するまでもなく、人間関係だけでビジネスを生み、その社会的地位にいること自体が価値になる人たちがいる、というのは、慶應大学で華族よろしく「資本主義の上澄み」の方々への謁見が叶ったことで許された貴重な学びでした笑
卓越した経営・マネジメント・タスク処理スキルなどなくても、世襲に近い形で獲得した立場を利用して会話して仲良くなり契約が成立し、ビジネスが回ります。多分、冬場の新聞配達で朝2時から雪の混じる雨の中死ぬほど悴んだ手をバイクから離さないように必死になる経験とかしたことないと思います。私が経験した一番肉体的に辛いバイトでした。
最近だとトランプ次期大統領や石破首相が口にする「ディープスロート」が単に支配階層を指すなら、それは確実に存在し、そして私たちの私生活では殆ど認識されないと思います。ということで、私の体験談を一つ。
出典:日テレNEWS 朝鮮総連本部の競売 宗教法人への売却許可
私の母は59歳で亡くなったのですが、その葬儀を執り行ってくださったのは、真言宗・空海から続く一子総伝の現時点での継承者、池口恵観氏です。世間的には2013年に競売にかけられた朝鮮総連本部の落札で話題になった方です。
恵観法主は、室町時代から500年以上続く真言密教修験の第十八代目の相承者・薩摩の国の傳燈法師であられ、相承秘伝の護摩を日々厳修、一切衆生の祈願に応えられています。また、真言密教最高秘法「焼八千枚護摩供」を101回以上も修行、その絶大な法力は、広く内外に知られています。
昭和63年12月には、真言密教最高厳儀「学修潅頂」に入壇受法され、傳燈大阿闍梨位にご昇供されました。翌、平成元年には、100日間にわたり、密教史上誰もなしえなかった秘法「100万枚護摩行」を御修行。1日に乳木1万本と添え護摩木3千枚を焚焼するという壮絶極まりない決死の行を無魔成満されました。今や、恵観法主は不世出の大行者として、各方面で称賛されているのです。平成26年には、高野山 別格本山 清浄心院の住職に就任されています。
私の母はスキルには乏しいもののリレーション構築には類まれなる才能を持った人で、どうやらア●ウェイのような胡散臭い物にも手を出していた節はあるものの、総じて上から下まで様々な社会階層と繋がりを築いた人だったようです。
母はステージⅣBの肺ガンから分子標的薬タグリッソを用いて一度は寛解に至るも再発し、亡くなる直前は民間療法に頼っていました。私は母が恵観氏の治療を受ける姿に1度だけ同席しましたが、何も見えないもののビリビリと熱い何かを感じたのを覚えています。
上記の恵観氏の著書には、幼少期に雀を呪い殺してお母さまに叱責されるシーンが出てきますが、やはり魔法と呼ぶべき「精神的状態から体外の環境にはたらきかける物理的エネルギー」を生むことができる方々なのでしょう。
私は結局、恵観氏と3度お会いしました。ご本人は正直メチャクチャ優しいおじいちゃん、という印象で終始朗らかでしたが、葬儀やその他諸々の手配の過程でその取り巻きの方々からお話を沢山伺い、空海から数百年にわたって継続する支配階層の一部を垣間見ました。
データ分析を生業とする分析屋としては深く探りたくなるもので、その後個人的に様々な探りを入れる中、ある核心に触れました。お金事情と人間関係事情。そしてこうした事実は決して世間から認知されることなく、「支配階層」として世襲・継承され続けると理解したとき、初めて「歴史への迎合」という境地に至りました。
出典:中学受験ナビ 華族制度とは? 5つのポイントとイラストでわかりやすく解説!
1869年に明治政府が制定して1947年に日本国憲法の施行で廃止されたとされる「華族」も、解体されたとされる「財閥」も、形式的な存否に関わらず、古来よりこの世界には支配階層が存在して歴史を構築しており、きっと日本に限らず世界的にも歴史を作り世界の支配階層に鎮座し続ける存在がいるのでしょう。善悪の問題ではなく、現象だと思います。
私の恩師はよく「正しさとは、権力が決める」と仰っていました。まさにそう。正義感とか倫理観はおそらくこの世界に後付けされたもので、例えば私有財産制が整う前や武士による切捨て御免が許された時代は、人々は今とは全く違う正義感・倫理観で生きていたんだろうし。
ということで長くなりましたが、まず子育ておける大方針として、目先のセコセコした「change」とか「改革」とか言ってないで、歴史に迎合し、必要に応じて歴史に挑戦するという巨視的な視点で世界や人生を見れることを教えていきます。
(余談1)私の先祖の没落、私の成り上がり
以前からこのブログでは、r>g下、つまり労働による賃金の伸びより投資の伸びが大きく、蓄財して投資したものが常により大きく成長して格差が拡大し続けるという条件下での私の人生観を書いてきました。
群馬の農家にて物々交換・カトリック社会で育った私が、わが家の南下政策を通じて埼玉・東京・千葉への移住し、そして今はアメリカにいます笑 余剰資本の投資を加速させるという感覚としては1870年代における、それまでの植民地獲得競争から帝国主義への移行に近い感覚があります笑
伝聞ですが、私の祖母の家系は大日本帝国下、満州で大規模な工場を経営していたそうです。私の祖母の親戚に当時の資料や体験を拝見・拝聴させて頂いた当時、当時の権利書や写真の類を見せて頂きましたが、戦争が終わって朝鮮半島経由で日本への脱出を試みた際、こうした書類は国境の警備兵にビリビリに破かれ、家族や兄妹もその場で撃ち殺されたり海に転落して溺死したりと、壮絶な体験だったそうです。
その後、群馬のクソ田舎で細々と生活する様は、歴史の教科書に載るならまさに「没落」と呼ぶべきでしょうか。世界史の教科書で中世ヨーロッパの十字軍失敗による諸侯の「没落」を学んだ当時、私の脳裏には祖母の先祖の写真が沢山浮かびました。こうした社会現象は、私にとって他人事ではなく自分事のように感じられたのです。
そしてまた、「隆盛」「成り上がり」も自分事でした。群馬からの移住は親の意思ですが、東京・アメリカは自分の意志です。故事成語「蛍雪の功」は、家が貧しい車胤や孫康が蛍や雪の明かりで勉強して科挙官僚に成り上がるお話であり、古代ローマにおけるポエニ戦争後の貧富差拡大期には徴税請負を駆使したエクイテスが貴族層に迎合します。
よく年収xx万円みたいな論争で社会的ステータスを議論してるのを見ますが、どこまで上を見るか、全体の中で自分がどこからどこに成り上がるのかという巨視的な目線を共有してから議論すると、もっと有意義になるんじゃないかなといつも横目で眺めてたりします。
(2)「経済的理由による労働」からの解放
出典:「衣食足りて礼節を知る」の意味と由来は?類語と英語表現も
「衣食足りて礼節を知る」という言葉は示唆に富んでおり、衣食(住)が一定水準に達して初めて、人の優しさやご恩に気づくことができる心の余裕や認識力・社会性が養われるというものです。
では、上述の(1)歴史への迎合という視点を人生に据えることができるためには、何が足りている必要があるか。ずっと考えてきましたが、まずは労働者階級からの脱却かな、と思った次第です。つまり、生活のために働く、稼ぐためにスキル研磨に励む生き方から早期に脱却し、特にお受験戦争のような井の中の蛙選手権に精神をすり減らして頑張る必要がない人生を歩むべきかと思います。
私は現在も頑張って労働者として働いていますが、頭の中は一生をかけて研究したいテーマに溢れています。勉強するほど知らないことが増え、知りたいことだらけになっていきます。こうした知的探求のためにお勉強することは非常に大切ですが、「良い就職のために良い大学に」みたいな考え方に囚われるのは私の代までで終わりにしたいのです。
日本の大学受験を例に、大学の存在意義を(a)知識の整理(=研究)、(b)コミュニティ、(c)就職予備校 と整理していた時期がありました。昨今の日本のアカデミアの衰退と研究の民間企業への移行を見るに、良い大学への進学の意味は(b)くらいしか見いだせないようにも感じます。
もっとも上述のように支配階層との接点を大切にすべきで、そのために数千万円の学費払ってでも名門大学で貴族の方々と交流する意味はありますが、もはや社会的立場を獲得するために受験勉強のようなスキル研磨のためのお勉強をする必要はない、と考えています。
(3)パラダイム思考
以前私が書いた記事に、自身の教育手法を「パラダイム教育」と名付ける旨を書きました。名前をどうするかは別として、重要なのはパラダイムを把握し、次のパラダイムに向けて行動できること。
(1)歴史に迎合する巨視的な人生観を持った上で、(2)労働から解放された人はすべからく暇人になります笑 感覚としては、市民革命直前にカフェに集まってコーヒー飲みながら議論してた貴族層や啓蒙とか言いまくってた百科全書派の皆さんみたいなもんでしょうか笑
「知育」から「稼育」へ
さて。以上3つ、(1)歴史への迎合、(2)「経済的理由による労働」からの解放、(3)パラダイム思考 が私の子育ての理念ですが、いざ子供が生まれて自分が子育てする立場になってみると、そんな机上の空論みたいな子育て理論がまかり通るはずがないだろう、という批判が聞こえてきそうです笑
とはいえ、私は既存の教育理論や巷で流行する教育の方針なども沢山調べましたが、調べるほど懐疑的になることばかりです。
例えば、巷には腐るほど「知育」玩具が溢れていますが、そもそも幼少期になんでも貴重な経験になる乳幼児にとって、「知育」にならない玩具とは何でしょうか?笑
モンテッソーリの「教具」も調べて実践しましたが、なんだか期待効果とか子供の成長モデルとかアホらしくなってきて途中でやめました笑
モンテッソーリ、レッジョエミリア、シュタイナーなど日本で「先進的」な雰囲気で流行ってる教育手法ですが、それぞれの歴史と展開を調べた私には、これらが「欧州で作り、アメリカで整え、アジアで稼ぐ」というビジネススキームにしか見えなくなりました。また、日本の保育計画や保育士カリキュラムって調べるほど相当すごい良くできているんですが、古き良き日本のやり方を世界的に評価することとかはしないんですかね。マーケット的に誰も儲からないからやらないんだろうけど。
「知育」に関して思うことは、結局親は子供に賢くなってほしくて、その賢さとは日本で言うと学力・学校の成績が良いことで、学校での勉強の理解や記憶に利すると思われる認知力や思考力が向上することを期待しているのかなと思います。また、多くの親が、知育の先に高収入な労働者になることを期待してると思われるため、知育はいずれ稼ぐ能力を高めると信じられているのでしょう。
だったら最初から「知育」ではなく稼ぐ力を養う「稼育(かいく)」をすれば良いじゃん、と思っています。この稼育という言葉は今後10年で確実に流行ると思うので是非覚えておいてください笑
真面目な話、知育で養われると想定される学力とは「教養」で、教養とはつまり柔軟性です。柔軟性とは、情報を要約・説明・体系化・整理する力です。一方で、稼ぐ力は多くの場合「専門」なので、教養は土台であっても稼ぐ能力に直結するものではありません。
ならば「稼育」は、専門に直結するものでしょう。幼少期から稼ぐための専門的教育を施し、稼ぐ力を身につけさせます。また、私の方針としては、複数の分野で稼ぐための専門知識やスキルを与えつつ、それらを帰納・演繹しながら教養に変えていく学習方法を良しとします。
出典:歌舞伎オンデマンド 【11/7(月) 生配信 決定のお知らせ】市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 『襲名披露 口上』
「専門」から教える、幼少期から稼ぐスキルを教育するというのは新しい手法ではありません。学校制度が整う前は、農家ではみんな幼少期から農業を手伝いました。世襲化されている領域では、例えば歌舞伎は幼少からその道の教育が施されます。
安定した年3000万円の投資収入を得る稼育
3歳になったら投資を教えます。3年かけて、安定して年間3000万円以上稼げるようにすることが目標ですが、これは大して難しい話ではなく、6億円運用して年利5%を安定的に出せる手法及び心構えを身に着けさせることを想定します。6億はリアルマネーである必要はなく、教育のためならデモトレードで十分でしょう。
投資初心者・特に子供にとって最も大事なことは(1)シナリオを決める、(2)シナリオ以外のことをしない、(3)シナリオ的中・外れの理由を調べる の3つです。
(1)はこれまで私が検証したシナリオを紹介して成功・失敗パターンを教えるとして、(2)は手を掛けないこと・欲を出さないことの難しさを意味します。特に子供は何かと手を加えたがるし、不必要な約定や早すぎる利確・遅すぎる損切など、(1)で決めたシナリオを守れないことが多く、利益や損失が大きくなると意味のないリスクを取りがちです。特に取引金額が大きくなるほど、こういうミスを犯しがちです。
また、(3)は非常に重要で、なぜ上がった・下がったといった話を理解するために、例えば雇用統計とは何か、なぜ労働局の発表が値動きを左右するのか、他の指標や各国・各企業の動向とどう連動するかといった話を理解させていきます。できればMQLなり教えてバックテストやEA(自動売買ツール)を作れるところまで3年で行きたいと思っています。
年利5%というのはそんなに難しい話ではなく、いかに早く「お金を稼ぐ」という感覚を「マリオのコイン集めている」感覚に変えられるかの勝負かな、とも思ったり。
(余談2)私の投資歴
さて、こんな偉そうなことを書いておいて、お前はそれできるんか?という批判を受けそうなので笑、私の投資経験を少し書いておきます。
私はリーマンショック直後にFXを始めました。親の名義で証券会社にデモ口座を作ってもらい、そこで大学受験浪人そっちのけで死ぬほどハマり、成人してからは自身の口座を作ってリアルトレードを行うようになり、そして死ぬほどお金を溶かしました笑
大学生時代は親から勘当されていたこともあり、本当にお金がありませんでした。天然石を売って学費を稼ぎつつ、塾講や新聞配達バイトで稼いだお金を原資にトレードしておりましたが、いかんせん何も分からず勘で売買するため一瞬でロスカットとなり、生活費に手を出して全部溶かし、本当に家の近くの雑草を持ち帰って煮て食べたりする生活でした。
しかし一つだけ運が良かったのは、南アフリカランドとの出会いでした。「黒字で利確した取引の半額を貯金する」というルールだけは厳守し、そのお金は絶対にトレード含む何にも使うことなく守りました。ある日、たまたま購入した南アフリカランドの高騰及びスワップポイントで月利20%を超えることが分かり、当時の最大レバレッジで購入した分が5カ月弱で資産が2倍になることを見つけました。
これを複利で運用し続ければ。。。と思いついた私は、前述の貯金を全て南アフリカランドで運用することにし、最大レバレッジなので適宜追加証拠金が必要になる中で、消費者金融にも手を出して資金調達しながら耐え、数年後に一定規模の財を成しました。最近だとオルカンやNISAが何かと話題ですが、そんなもの可愛いものです笑
加えて、私には4回のボーナスステージがありました。旧民主党政権下の円高、アベノミクスの円安、仮想通貨バブル、コロナショック。これらは儲かったボーナスというより、どこまで上がるか(下がるか)分からない環境下で、自分なりの仮説を元にシナリオを作り、勝てないと判断したら潔く撤退するという基本動作を身に着ける上では絶好の機会でした。
学生時代にMQLというプログラミング言語を覚え、過去データを下に売買ロジックの成績を検証したり、EA(自動売買ツール)を作るようになりました。この時期から金融工学に興味を持ち、データサイエンスを勉強し始めたのでした。
農耕民族 = 中長期・黒字取引率でのシナリオ構築
農家出身だった私が言うので間違いないのですが、安定収入のあるサラリーマンや、売上拡大よりコスト削減が上手なタイプの人は確実にデイトレと相性が悪いです。逆に釣り好き等の狩猟民族は「待つ」「耐える」ことができるので、むしろデイトレや短期売買と相性が良いのではないでしょうか。
前述のとおり、FX始めたての私は何も分からず適当に売買してたので、利確・損切ラインもなくシナリオもなく、ポジションを持つことが本当にストレスでした。
振り返れば私は農家で育ち、野菜や家畜に肥料や餌を与えれば日々確実に育ち、日々少しずつでも手堅く成果が出ることに慣れきっていました。
また、相当打ち込んだサッカーでもポジションはセンターバックでした。このポジションは非常にシンプルで、後ろにはキーパーしかいないので、相手との1対1で絶対に負けない・ボール奪ったら前線に蹴りこむだけのシンプルさがありました。私は1対1で絶対に負けない自信があったものの、現代サッカーを見てて完全に自分がいかに井の中の蛙だったかを思い知ります。組織的なパス回しや中盤からの波状攻撃には全然対応できていなかったと気づくのは、私がサッカーを引退した後でした。
優秀なコーチに教わっていれば、私はもっと自分の可能性を高められたかもしれません。一方で幸せな時代になったと感じるのは、情報がyoutubeはじめ色んなところに落ちており、玉石混交の状態であるものの、それらを自力で判別して体系化する力さえあれば、いくらでも自分の能力を更新し続けることができます。
ルソーは「子供とは大人の鏡」という旨を述べましたが、まさにその通りで、子供に教える自分の能力がそのまま子供に反映されるなら、子供を生かすも殺すも自分次第なので、とにかく精進し続けなければと思う次第です。
2025年 – もっと遠いところに向けて
ハマーン・カーンはアステロイドベルト(小惑星帯)から、パプティマス・シロッコは木星から地球圏へ帰還したようですが、歴史や宇宙の広がりを見てどんな世界観を持ったのか是非訊いてみたいといつも思っています。
人類の一個体は高々100年しか生きられませんが、自分の子供や自分が関わる社会やその歴史には、少しでも良くなってもらいたいと思うのが世の常だと思います。
2025年は更なる飛躍、というよりも計画を着々と進めるだけの胆力が試される年だと思いますが、理念よりも目の前の家族を大切に、現実を大切に過ごしたいと思います。
最後に、渡米前後において、今年は本当に本当に多くの方にお世話になり、サポート頂いた年でした。出会いとご縁に本当に感謝しつつ、2025年は頂いたご恩をお返しできるよう、引き続き精進します。良いお年をお迎えください。